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         【 黒はんぺんの歴史 】

 はんぺんといえば、全国的には魚のすり身に卵白などを混ぜた白はんぺんが主流で
各地で作られていますが、「黒はんぺん」はほとんどが静岡県で作られています。

<黒はんぺんの起源>
 文献があまり残されていないため、確かなことは分かっていません。
 昔、清水でイワシの豊漁があって保存のため作り出されたのが始まりという説があります。
 江戸・明治時代あたりまでは、駿河湾沖での無動力船の漁で現在も「黒はんぺんの原料」

 サバやイワシのほか、サンマなども取れました。
 
 漁師はこれらの魚を自家用でも食べていたことから、処理できなくなったものを

 すり鉢ですってお湯にいれて加工していたといいます。
 これが「黒はんぺんの始まり」と言われています。

 また、駿府城にいた徳川家康が鰯の大漁だった年に、食べきれない鰯が
 いたむのを見て、何か日持ちするような手段を台所方の役人戸川半兵衛に
 命じたのが始まりとも言われているそうです。
 
 ともあれ、「静岡特産の黒はんぺん」は、300年以上の伝統を持つ郷土色豊かな食品です。
 
 ちなみに「黒はんぺんの起源」とされる私の住んでいる静岡市清水では、
 黒はんぺんの
ことを「はんべ」と呼んでいました。
 今では焼津が80%のシェアを誇っているようですが、古(いにしえ)の私の子供の頃
 (昭和30年代後半~40年代前半)は清水にも沢山はんぺんを造るお店がありました。

 ここからは余談ですが・・・
 私が生まれた次郎長通り(清水の次郎長の生家は私の生まれた家の隣です)にも
 はんぺん屋さんがあり、そこに良く「おつかい」に行かされました。
 
 「黒はんぺん」7枚が定番の「おつかい」で、母から100円札(今は発行されていませんが)
 を渡されて、おつりが10円玉と5円玉、1円玉が何枚かあったような記憶があるのと、
 たまに母の手伝いをしてもらった駄賃の10円玉を持って、黒はんぺんを買って食べた
 思い出があるので、1枚10円前後だったのでしょうか?
 
 おつかいに行くと、お店のおばちゃんが『いつもえらいね』と言って1枚おまけしてくれて、
 それを食べながら帰ったものです。
 出来立てを何もつけずにそのまま食べるのが最高においしいんです。
 
 家では母が夕飯の「おかずに黒はんぺん」を焼いたりフライに揚げてくれて、
 父が3枚、私が2枚、4っ下の妹と母は1枚。
 

 それに茹でたじゃがいもと味噌汁に漬物あたりが、我が家の夕飯の定番のひとつでした。
 裕福でなかった我が家ですが、魚を丸ごと使った鉄分やカルシウムなど「栄養豊富な
 黒はんぺん」
を亡き母が食べさせてくれたおかげで、私や妹が1人前に大きくなったん
 だなあとつくづく思います。

 今でも栄養満点で「値段も安い黒はんぺん」は当店おすすめナンバー1です。


 (画像をクリックして頂くと、当店の黒はんぺんのページへ移動します。)
当店自慢の黒はんぺん!


 さて本題に戻って
 「はんぺん」の名の由来は諸説あるようです。
 江戸時代の旗本で駿府代官を勤めた羽倉簡堂が著した『駿城記』には
 徳川忠長(駿河大納言)が寛永元年(1624年)に駿府に居城し、駿府城主であった頃に
 家来の戸田半平が初めて作ってさし上げたので”半平”と名付けられた。
 と書かれているそうです。
 
 また、『駿河の料理人『半平』が作ったため半兵衛と呼ばれ、その後変化した』
 (虚南留別志)という説もあり、
 
 幕末に記された『守貞漫稿』には「はんぺい(半平)はかまぼこと同じく細かくつぶした魚肉なり。
 椀のふたなどでこれを作る。
 「ふた半分で肉を量るため半円形になり、名前が付けられた」という一説もあるそうです。

<黒はんぺんの原料と作り方>
 「黒はんぺんの主原料」となるサバは、東北地方から秋に産卵のため駿河湾近辺に南下し、
 近海が絶好の漁場となっています。
 最近の漁場は伊豆大島や三宅島近辺ですが、大衆漁として知られるサバも近年は
 不漁が続き、原材料の確保に各事業所も気を配っています。

 作り方は新鮮な鯖や鰯を主原料に、これを骨ごと用い、塩、砂糖、澱粉などを混ぜて
 潰してすり身にし、熱湯で茹であげる。
 通常水晒しを行わない。旨味成分を逃さないので、原料魚本来の風味がある。
 特にサバを原料とした「黒はんぺん」は、他の魚肉練り製品にはみられない
 独特の風味をもち好まれる。
 血色素を含むため、加熱後の製品色は灰白色に仕上がる。

 

黒はんぺんを茹でている写真と出来上がった黒はんぺん。

 

<黒はんぺんの食べ方>
 ・そのまま何もつけずに食べる。  ・わさび醤油をつけて食べる。
 ・焼いてそのまま食べる。      ・生姜醤油を付けて食べる。
 ・蒸す。
 ・おでん種にする。(静岡おでんには欠かせない主役級です)
 ・甘辛く煮付ける。
 ・フライにする。
 ・商品紹介に載せた、1口大に切ってカレー粉をまぶして炒める。
 ・炒飯の具として使う。
 
 県内の小中学校では、「黒はんぺんのフライ」が給食として出ることもあるようです。

 

(写真をクリックして頂くと、当店の黒はんぺんフライのページへ移動します。)夕食のメインディッシュに黒はんぺんフライ。

 

 要は素材が良いので、工夫次第で食べ方は自由自在にお楽しみ頂ける重宝な食材です。

 

<一口メモ >
 「黒はんぺん」は、自然なおいしさとともに健康に必要な鉄分やカルシウムをはじめ、
 ビタミンA、タウリン、そして血液の流れを良くし、動脈硬化の予防などで話題を呼んでいる
 DHAやEPAなどの成分を含み、ヘルシーな自然食品として注目を集めています。
 
 「黒はんぺん」は、新鮮ないわしやさばなど栄養価の高い魚を、骨ごとすりつぶし、
 水でさらさず、脱色も着色もしないで作られます。
 
 歯ごたえがよく、魚本来のおいしさと風味があり、いろいろな食べ方が楽しめます。
 そのまま生で、また煮ても焼いても、フライにしてもおいしく食べることができ
 酒の肴としても絶品です。

 

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